“秋山 瑞人” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:秋山 瑞人 (10 件 / 1 ページ)

秋山瑞人×古橋秀之講演会に行ってきました。

すでに各所でレポートがアップされているのであまり必要ないかもしれませんが
備忘録代わりに軽く感想をば?。
本当に私観入りまくりの「感想」かつ「日記」なので、まじめな
レポートを見たい方は他所の方の記事を参考にされてください。
こちらに講演会のレポートまとめがあるみたいです。

というわけで11/4に法政大学で行われた講演会に行って参りました。
出かけようとおもった最大の理由は自宅の近くから法政大学多摩キャンパス行きのバスが出ているので、簡単に行けそうだという理由だったのですが、出かける直前にサインしてもらう予定だった「イリヤ」1巻が行方不明になったり、日曜日でバスの間隔が1時間に1.5本というすばらしい状況になっていたり、時間調整だかなんだかで西八王子駅前で15分近く停車しやがったりと見事東京の癖に地方もビックリのすばらしさを見せ付けてくれやがりまして、その後も広大な法政のキャンパス内で迷ったりとたどり着くまでがすばらしい波乱万丈ぶり。というわけで講演も途中からしか聞けませんでした…

講演中に両先生も仰られてましたが本当に大学と広大な自然以外何も無いですね…。
いや、地元民だし知ってた。知ってたけど!!
学部棟と学部棟をつなぐ通路?からみえる景色が偉く広大で綺麗でした。
大自然を満喫するには良いキャンパスだと思います。

会場は大学の大教室で、序盤ちょっと内輪ネタっぽい話題が多かったのと、1つのマイクを2人の先生が使っているのが気になったりしましたが、それはそれで大学の学園祭の出し物という感じで味がありましたw
対談をしながらプロジェクターを使って秋山さんが部誌に投稿した「猫の地球儀」の雑誌投稿前のオリジナルバージョンとか、古橋さんが描いた漫画の挿絵(大学時代は漫研だったらしい)とか見れたのもなかなか面白かったです。

話の内容としてはライトノベルの話題も多かったですが、創作中のエピソードとか創作関連の話題が多かった気がします。執筆中の様子とか癖とか、あと新作についての話題もありましたね。後の質問コーナーでも現役文芸部在籍中の方、小説を投稿している方なんかが質問してました。「どうやったら長い話を規定の枚数にまとめられますか?」って質問の後、「長編小説を書けません。古橋先生、長編小説を書くコツを…」なんてのが来たのはひそかにツボでしたw

方向は違いますが創作活動をしている身としては色々創作意欲を喚起させるような内容で、これから年末に向けて頑張ろうという気分にさせてもらえたのが、個人的には一番の収穫だったかもしれません。お話を聞く限りお二人の執筆スタイルがほぼ正反対という感じなのでそういう意味でも両者の違いを楽しめて面白かったです。

ラノベ関係だと質問コーナーで真っ先に交わされた質問が「秋山先生、E.G.コンバットとミナミノミナミノの新刊は…」だったていうのがなんとも…せ、切実なものを感じました…。どちらも未読なのですが「E.G.コンバット」の方は巻数が変わった関係ですでに2回くらいラストまで書いてあるとかなんとか…も、勿体無い。


2時間みっちりお話を伺って、最後にサイン頂いて終了。結構和気藹々とした雰囲気で進んでいくので楽しかったです。学生時代から講演会というものが苦手だったので今まで敬遠してきた部分があるのですが、こういうイベントだったらまた参加しても良いな?と思いました。



余談。
サインを頂こうと秋山さんの方の列に並んでいた際、すぐ後ろでサイン待ちしてたのがどうもこの方とかこの方だったっぽいんですが…たぶん。うーん、ここは一つ「いつもブログ見てます!」とかなんとか一言ご挨拶させて貰おうかと思ったのですが、いまいち確証持ちきれなかったので結局声かけられませんでした。チラチラ後ろ見てる不審人物が居たらそれは私です。ほんとすいません…。


イリヤの空、UFOの夏 その4

 

伊里野と一緒に逃げ出した浅羽。二人の前にはかすかな幸せとその幸せを圧倒する様々な困難が待ち受けていた。次第に破壊されていく伊里野を連れ、疲弊した浅羽が最後にたどり着いた場所は…!逃避行の顛末を描いた『夏休みふたたび前・後編』と『最後の道』。榎本によって明かされる様々な謎。伊里野は浅羽の目の前から姿を消し、そしてその代償のように平穏な日々が戻ってきた…かに見えた。だが…!感動の最終話『南の島』。以上、「電撃hp」に大好評掲載された四編に文庫書き下ろしのエピローグを加えて、ついに伊里野と浅羽の夏が終わる。ボーイ・ミーツ・ガールストーリー、完結。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

普通の少年・浅羽と不思議な少女・伊里野が織り成すボーイ・ミーツ・ガール完結編。

1巻から少しずつ、段々面白くなっていくイメージがあったんだけど最終巻凄かった……!!束の間に得た幸福が些細なすれ違いを切っ掛けに一転、どこまでも突き落とされていく姿がどこまでも容赦ない。浅羽と伊里野の間に築かれた全てが少しずつ「喪失」していく姿に寒気を覚えました。伊里野の危機に際して何もすることができず、余計に事態を悪くしてしまうだけの浅羽には苛立ちを覚えるけど、なんというか、彼の行動はあまりにも「人間」らしくて憎めない。吉野の言うとおり勇気を振り絞って伊里野を連れて逃げたというその行動だけでも賞賛に値すると思う。

二人で逃げ出して。少しだけ幸せを掴んで。絶望して。苛立って。壊して。様々なものを喪って。逃避行が終わりを告げて。真実を聞かされて。引き離されて。世界の危機に立ち向かわされて……こんなにも色々な事があったのに、最後には一筋の余韻だけを残してあまりにもあっけなく終っていく「UFOの夏」にしんみり。空へ飛び立っていった彼女と、終ってしまった夏を1人惜しむ浅羽の姿が目に焼きつくようなエピローグでした。

本当に面白かった!夏の始まりに、この物語と出会えた事を心から感謝したいです。


イリヤの空、UFOの夏 その3

 

浅羽を巡る恋の三角関係が進行中、ということで、ついに伊里野と晶穂の正面切ったバトルが発生!最終決戦の場となった「鉄人屋」では…!血と涙が吹き荒れる『無銭飲食列伝』。突然、園原基地付近で起こった爆発。北からの攻撃、輸送機の事故、UFOの墜落とさまざまな憶測が飛び交う中、水前寺はひとり、爆発事件の取材に向かった…緊迫の『水前寺応答せよ・前後編』。水前寺テーマが「超能力は果たして実在するか」であった頃、つまり浅羽がまだ一年生のころを描いた『番外編・ESP.の冬』。以上、「電撃hp」に大好評連載された四編を収録したボーイ・ミーツ・ガールストーリー第3弾。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

普通の少年が不思議な少女と出会うボーイ・ミーツ・ガール第三巻。

1話目「無銭飲食列伝」で繰り広げられた伊里野vs晶穂の「女の戦い」と、その後の本音をぶつけ合う展開が超好みだったので、その後の展開が衝撃過ぎました。2巻ラストから「日常」崩壊の兆しは見えていたけどよりによってまさかこんなタイミングでくるとは……凶悪すぎる。

水前寺が行方知れずとなり、イリヤは少しずつ壊れて行き、仲間達は「疎開」という名で自宅待機を余儀なくされ、戦争らしきものは激化して……と物凄い勢いで非日常への外堀が埋められていく。浅羽の言葉に奇麗事ではなく自らの本音をぶつけてくる大人たちの迫力が凄かった。「何もしてあげられない」浅羽のもどかしさと、「精一杯やったけど駄目だった」大人たちの絶望のぶつかりあいが、壮絶だった。

最後の希望は行方知れずとなった水前寺ばかり……と思っていたら水前寺イイイイイイ!!!!!!
浅羽と同じく、「大人たちが駄目なら、水前寺がきっとなんとかしてくれる」という考えがなんとなくあったんだなあ。あまりにも彼らしい最後の言葉に微笑ましくなりながら……え、あれ、死んでないよね!?生きてますよね!?うわあああああ、続き気になる……!!番外編「ESP.の冬」で語られる水前寺と浅羽の友情具合には思わずニヤニヤしてしまいました。

崖っぷちまで追い詰められた浅羽がイリヤをつれて逃げる為に起こした、覚悟の証しともいえるような行動が強烈。しかしあと1冊で完結……ってとてもハッピーエンドにたどり着くようには思えないのですが!次はあっという間の最終巻、読むのがとても楽しみです。


イリヤの空、UFOの夏 その2

 

浅羽直之と伊里野可奈の初めてのデート。それを尾行する者が、一人、二人、三人…当然のことながらただですむわけが無く、実際に“ただではないこと”が起こり―『正しい原チャリの盗み方・後編』。文化祭といえばカップルで踊る最後のダンス!というわけで園原中学の大騒動文化祭と秋山流“恋の鞘当て”を描いた『十八時四十七分三十二秒・前後編』。以上、「電撃hp」に大好評連載された三編に書き下ろし番外編『死体を洗え』を加えたボーイ・ミーツ・ガールストーリー第2弾。鬼才・秋山瑞人が贈る少年と少女と夏とUFOの物語は始まったばかりです―。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

普通の少年が不思議な少女と出会うボーイ・ミーツ・ガール第二巻。

相変わらず何かありそうなのにその謎が本当にちょっとずつしか明かされてこないのがもどかしい!!しかし同時に何かが始まりそうな世情の中、精一杯青春を謳歌する学生達の姿がとてもまぶしい……!!学園祭の様子があまりにも生き生きとしていて、それでいてどこかその場面場面が掛け替えのない平和な生活の終わりを感じさせるのがなんだか凄い。これから何かが終るんだろうなあという予兆のようなものがひしひしと伝わってくるのが不思議な感覚でした。

文化祭と共に「何か」が終ったような予兆を残したまま、謎の飛行物体と浅羽の織り成す不思議な「ファイヤーダンス」のシーンが凄く印象的。

しかしイリヤの正体といい園原基地の秘密といい、始まってしまった気がする「何か」といい、ここが折り返し地点だとは信じられない謎だらけ具合。しかし、園原基地の謎が頂点に達してる状態で読む番外編『死体を洗え』の不気味さがはんぱない…!!ベタベタな都市伝説的ストーリーのはずなのに、やたらと真実味があるのがとても恐ろしかったです。3巻ではいい加減その謎の一端が明かされるのではないかという気配を感じますがどうなることやら、続きが楽しみです。


イリヤの空、UFOの夏 その1

 

「6月24日は全世界的にUFOの日」
新聞部部長・水前寺邦博の発言から浅羽直之の「UFOの夏」は始まった。当然のように夏休みはUFOが出るという裏山での張り込みに消費され、その最後の夜、浅羽はせめてもの想い出に学校のプールに忍び込んだ。驚いたことにプールには先客がいて、手首に金属の球体を埋め込んだその少女は「伊里野可奈」と名乗った…。おかしくて切なくて、どこか懐かしい…。ちょっと“変”な現代を舞台に、鬼才・秋山瑞人が描くボーイ・ミーツ・ガールストーリー、登場。 「(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

普通の少年が不思議な少女と出会うボーイ・ミーツ・ガール。以前一度1巻だけ読んだ事があったのですが、数年単位で放置していたので1巻から読み直し。

1巻の時点だと、伊里野が何か「普通の人間ではない」ことは伝わってくるんだけどそれ以上の事は判らず、いかにもワケありげな展開や台詞が目白押しで凄くもどかしい。とりあえず早く2巻を読めって事なんでしょうがもうちょっと1巻の内にネタばらししてくれても……と思わなくも無いなあ。

シリアスで謎だらけな1?2話よりも浅羽とイリヤのデートを様々な人が追跡する3話「正しい原チャリの盗み方 前編」のほうが楽しめたかな。なんだかんだといいながらかなり兄バカな浅羽妹やら奇人変人な天才型の先輩・水前寺やイリヤの周囲にいる人々のドタバタしたやりとりにニヤニヤしました。

とりあえず、なにはともあれ2巻…という感じのお話なので、続き楽しみ。


日和ちゃんのお願いは絶対

 

まるで、世界が終わりたがっているみたい──それは。最後の恋物語。
「──わたしのお願いは、絶対なの」 どんな「お願い」でも叶えられる葉群日和。始まるはずじゃなかった彼女との恋は、俺の人生を、世界すべてを、決定的に変えていく──。 ほんわかしていて、かわいくて、どこかちょっと流されがちで。 それなのに、聞いてしまえば誰も逆らう気になどなれない「お願い」の力を持つ日和と、ただの一般人なのにその運命に付き添うことになってしまった俺。 「──でも、もう忘れてください」 世界なんて案外簡単に壊れてしまうのに、俺たちの恋だけが、どうしても終わってくれない──。 これは終われないセカイの、もしかして、最後の恋物語。

不思議なチカラを持つ日和と、彼女に近づけば近づくほど彼女の存在を遠くに感じてしまう深春の関係がなんとももどかしく、それでも世界とか能力とかどうでもよくて、ただの彼氏と彼女として恋をして共に歩もうとするふたりの姿が印象的でした。懐かしの「セカイ系」だこれーー!!!!!

壊れかけの世界で、最終兵器な彼女と普通の少年が恋をする

同じクラスのちょっと可愛くて優柔不断な女の子・葉群日和から告白された深春。彼女は「お願い」すればなんでも相手が言うことを聞いてくれるという不思議な力を持っているという。最初は高校生らしいお付き合いをしていたふたりだが、とある事件をきっかけに彼女の正体を知ってしまう……。

世界すら揺るがしかねない力を持った最終兵器な彼女と何の変哲もない普通の少年が恋をする物語。高校生カップルらしいもどかしい恋愛模様とは裏腹に、日和に惹かれていく一方で近づけば近づくほど彼女を遠く感じてしまう深春と、深春を巻き込みたくないと願う一方で縋るように精神的支柱を彼に求めていく日和の姿が印象的でした。

あくまでこの「現実」と地続きのものなのだと伺わせる世界観設定が新鮮でした。大学入試制度の改革の話や新型ウィルスの蔓延の話とか、身近に体験したばかりの話が出てきてネタが新しい…。世界観情勢の話で伏せ字が多すぎてわからんってなるときもあるんですけど明らかに現実の人物をモデルにしている話が多くてこりゃ伏せるよなっていう。そんな(現実の)世界を描きながら、ヒロインに「世界が終わりたがっているみたい」って言わせちゃうのがあまりにもパワーある。

令和の世に生まれ落ちた新「セカイ系」ラノベ

自分の「お願い」を相手に強制的に叶えさせてしまう力を持った日和。草の根から始まった彼女の活動は徐々に活動範囲を広げ、深春と付き合い始める頃には既に世界をも左右する存在となっていた。「彼女の力になれることが自分にもあるはず」と自分を頼ってくれない日和にもどかしさを感じていた深春だが、とある事件をきっかけに彼女の能力が時に相手の尊厳さえも歪ませ、踏みにじるものだと知ってしまう。

あくまで日和は自らの意思で能力を使って「この理不尽な現実」を良くしていこうとしていて、彼女の非日常の中に深春の存在は求めてない。架空ではなく現実を思わせる世界、巻き込まれるのではなくあくまで自分の意思で非日常に身を置く日和とそこに関わりたいのに関わらせてもらえない深春の関係がどこか新鮮でした。惹かれ合い、すれ違い、傷つけ合い、一度はお互いの手を手放して──それでも手を取り合うことはできるのだと、別々の世界に身を置くふたりが、今度こそ「お願い」の力ではなくてただ手を取り合って再び歩き出すラストがアツかったです。

私の中の「セカイ系」とは、大きな力を持ってしまったがために世界の中の大きななにかに翻弄され、押しつぶされそうな少女とそんな彼女の事情には何も出来ない少年が手に手を取ってふたりだけのセカイに行こうとする(けどうまくいくとは言ってない)物語だったのですけど、自ら世界の中に飛び込んで押しつぶされそうになりながらも大人たちを巻き込み世界を変革しようとする少女とその彼女の手を握ろうと手をのばすけど何も出来ない少年が、それでも「ありふれた高校生男女」でいようとあるき出すこの物語はなんていうか令和に生まれ落ちた「新しいセカイ系」なのだろうなあみたいなことを思いました。うまく言葉に出来てないけどなんか凄く昔懐かしい反面新しいお話であった。

挿絵が超よかった。

現実の世界と地続きであるかのような物語の世界を表すかのように、写真にイラストを組み合わせた口絵と、章毎に挟まれる風景写真の使い方が面白かったです。

特に、日和の秘密が明かされる所の挿絵の大胆な使い方がめちゃくちゃ好き。そしてその挿絵を惜しげもなくツイッターで作品紹介に使ってくる作者さんの大胆さがすごいなとおもいました。いやだってこれ完全にネタバレじゃん……、でもこの挿絵見なかったら普通の最近よくあるエモい青春ラブコメだと思って手を出さなかったと思うのですごく正しい。セカイ系なんて今めったに見ないのでそこアピールしていってほしい。

私はこのツイートを見て買いました!!!(リンク先軽いネタバレ注意)

余談ですが「新しいセカイ系」とかいいつつもどうしてもセカイ系の代表作である「最終兵器彼女」を連想せずにいられなかったのですが、あとがきにアツい「最終兵器彼女」語りとセカイ系へのリスペクトがあったのでニヤリとしてしまった。めちゃくちゃな名作なのでこの作品が楽しかった人で未読だったら是非触れてほしい。多分好きなはず。ラノベなら「イリヤの空、UFOの夏」も。イリヤは今から読み始めるとリアルUFOの日までに読めるのでタイミングも良いはず。

「最終兵器彼女(1) (ビッグコミックス)」
高橋しん(著) (著)
小学館
発行:2000-05-30T00:00:00.000Z
「イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)」
秋山 瑞人(著), 駒都 えーじ(イラスト) (著)
KADOKAWA
発行:2013-12-26T00:00:00.000Z



読み放題が来た今こそ読みたい「ちょっと古め」のラノベ20選。

先週末からBOOK☆WALKERで角川文庫・ライトノベル 読み放題というサービスがはじまりました。
しかも、2020年の1/31までは無料で読み放題になるそうです。

というわけで、対象作品の中で私が完結(最新巻)まで読んでいるタイトルの中からちょっと古め(2000年代中心)完結済(多分)作品のなかからおすすめラノベを20作品リストアップしました。なんで「ちょっと古め」の「完結作品」なのかと申しますとそういうやつはリアルタイムで巻数が増えないため後回しにされがちだと思うからです。私がそうです。新作は多分他にまとめる人がいると思うのでそっちで探してください(「錆喰いビスコ」と「ファイフステル・サーガ」が個人的におすすめです)

何か気に入ったものがあれば手を出してみていただけると比較的古産なラノベ読みとしては冥利に尽きます。

※なお、この記事は書影を引っ張るためにKindleへのリンクを併用しています。Kindleの方の読み放題タイトルではありませんのでご注意ください。

1巻完結 / 3〜5巻 / 6巻以上

1巻完結

入間人間「多摩湖さんと黄鶏くん」→感想
バカップルがイチャイチャとゲームするだけの小説。
ゲームの内容がいちいちフェチくて二次創作心をくすぐる。みんな頼むから読んで推しカプで「キスババ抜き」やってくれ!!!
うえお久光「紫色のクオリア」→感想
愛する少女と共に在る未来を目指し、少女は時空を駆ける。
女の子三人がイチャイチャするほのあたたかい序章と、ハードな時空改変SFである本編に圧倒される。

3〜5巻

岩井恭平「消閑の挑戦者(1巻まで)」→感想
『天才』達が挑む、究極の超能力×頭脳ゲーム!!
既刊3巻。主人公・小槙と彼女のパートナーである祥が常にすれ違いながら様々な天才達に挑んでいく。「超飛躍」という頭脳を活性化させる異能を用いて行われるハイレベルな頭脳バトルがたまらない。
土橋真二郎「扉の外(全3巻)」
閉鎖空間で熟成されていく「人間の悪意」にゾクゾクが止まらない。
とにかく薄気味悪い人間関係と、どこまでも後味の悪い展開で初読時は本当に「これは無理!!」と思ったのですが未だに不思議と惹きつけられてやまない作品。色んな意味で煮凝りのような濃さを感じるデビュー作。
杉井光「火目の巫女(全3巻)」→感想
異形と戦う少女達の、儚くも悲しい宿命の物語。
過酷な宿命の中で様々な少女たちとの出会いと別れを繰り返しながらひとり残されていく主人公・伊月の姿が、悲しくも美しい。長い時を生きる帝・豊月との関係も良かった。
平坂読「ラノベ部(全3巻)」→感想
「ラノベ」にまつわる高校生たちの楽しい日常。
軽妙な会話劇が楽しい文系部活ラノベ。全3巻なので手軽に読める。個人的にいちばん好きなのはリレー小説ですよろしくおねがいします。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス(全4巻)」→感想
喪われた魔術種達の生存競争に巻き込まれたヒトたちの物語。
絶望的な戦いの中で、己を削りながらも手を取り合って生きようとする少年少女の姿が印象的。自傷、トランスセクシャル、同性愛と性癖てんこ盛りな展開も好きです。FGOのアガルタやセイレムが好きなら是非…。
秋山瑞人「イリヤの空、UFOの夏(全4巻)」→感想
不思議な少女と過ごす忘れられない夏の想い出。
過酷な宿命を背負った少女・伊里野と普通の少年・浅羽。二人を待つ過酷な運命と、あっさりと終わっていく二人の「UFOの夏」にしんみり。読んだら6月24日に「おっくれってるー!!」って言いたくなる。
柳実冬貴「Re:バカは世界を救えるか?(全5巻)」→感想
微妙な異能を手に入れた中二病の少年の、世界を救うための戦い。
非日常を求めてやまない中二病の少年が本物の異能と非日常の世界に巻き込まれていく。終盤に行くに連れインフレしていく世界観と、そんな戦いの中で本物のヒーローになっていく主人公の姿がアツかった。ヒロインたちとのやりとりも可愛いですが男の友情もあります!!!
三上延「シャドウテイカー(全5巻)」
未知の存在からの侵蝕に抗う少年少女を描くホラー系異能バトル。
背筋を這うようなホラー展開と、徐々に記憶を失っていく幼馴染の少女を救うため奔走する主人公の姿が印象的。というか三上先生の異能バトルはだいたい幼馴染大勝利ラノベなので幼馴染ストはこの機会に読んでほしい。
林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ(全5巻)」→感想
これは長い物語(サーガ)の “はじまり”。
引きこもりの青年が、目付きの悪さとハッタリだけを武器にしてツワモノ揃いのバトルロイヤルを勝ち抜いていく。少しずつ人間として成長していくヒデオの姿に胸が熱くなる。林トモアキ作品は全著作に濃厚なリンクがあるので薦めるの難しいんですけど、個人的に入門編として推したいのはこれか「お・り・が・み」かなと思います。
神坂一「ロストユニバース(全5巻)」→感想
「スレイヤーズ」の著者が贈る過去の遺産技術を巡るスペースオペラ。
もうまず主人公がキメキメでライトセ●バーとマント構えて出てくる所から大好きすぎるんですけど、テンポの良い掛け合いと意外に重たい展開がいかにも神坂作品という感じで好き。なにかとスレイヤーズとのリンクを思わせる(が特に直接的なリンクはない)用語の数々にもニヤリとしちゃう。

6巻以上

風見周「殺×愛-きるらぶ-(全8巻)」
最後の人類になる少年と彼を殺しに来た少女の、世界を賭けた恋。
世界を救うため×騙して利用するために偽りの「恋人ごっこ」をしていたはずが、お互い本気で好きになって…という王道展開と、ご都合主義とも思えるハッピーエンド展開がたまらなく好き。主人公の行動にモヤッとする部分もあったけれど、自分勝手と自覚しながら足掻き続ける終盤がやっぱり好みでした。
藤原祐「レジンキャストミルク(全8+2巻)」→感想
心に“欠落”を抱えた少年と心を持たされた“人形”の少女の物語。
明るく楽しく描かれる「日常」の学園生活と、欠落の代わりに異能を得た少年少女が傷つけ合う「非日常」の戦闘パートの落差がたまらない。もうほんとうにこの漢字やら英語のルビを振りまくった文章とバトル展開が好きすぎて。殊子先輩が好きです…………。
中村恵里加「ダブルブリッド(全11巻)」→感想
『二重雑種』の女と無骨な青年が織りなす「ちとにくとほねのものがたり」。
お酒が大好きでちょっと不思議なアヤカシのおねえさんと石頭系武骨な警察男子がアヤカシ対策専門部署という閑職でほのぼのする話かと思ったら互いを傷つけあわずにはいられない人間とアヤカシが織りなすちとにくとほねの物語です(ツイッターの自分のつぶやきが上手いこと言ってたのでそのまま転載)
葵せきな「生徒会の一存(2巻まで)」
ハーレム願望の主人公+ヒロインたちの軽妙なやりとりが秀逸。
とにかく生徒会室で軽い会話をしてるだけのお話なんだけど、気軽に読めてぷっと笑える短編ラノベならコレという気持ち。「全員を幸せにするために」ハーレムを目指す杉崎の姿も個人的には好感度高く、そんな彼が大きな壁にぶつかる「新生徒会の一存」もおすすめ。
あかほりさとる「セイバーマリオネットJ(全12巻)」→感想
心を持ったマリオネットと少年の、人類の未来を賭けた恋。
ハーレムラブコメではあるんだけど、その一方で“人間の女性が居ない”歪んだ世界の姿と、女性を復活させるために“人間の心を持った機械”を愛すことが出来るかを試され続ける主人公・小樽の姿が衝撃的。どこか物悲しいエピローグが忘れられなくて、定期的に読み返してしまうシリーズの一つ。
田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(全8巻+外伝4巻)」→感想
全員が幸せになれるルートを、地道に模索していく姿が印象的。
ヒロイン全員と幸せになるためハーレムルートを目指す!という展開と、それを実現するために問題点を洗い出して割と地道な努力を重ねていく展開が熱かった。現実産ヒロインの高橋愛子さん推しなんですけどそれはそれとしてゲームの真主人公との男の友情も大変美味しかった…。
椎野美由貴「バイトでウィザード(全14巻)」
現代魔法使い「ブラック家業怖い」ラノベ。
魔術師の一族に生まれて大きな力を持ってしまった主人公が、一族の長にいいように使われて使い潰されていくのがマジブラック企業怖いなんですけど!敵の尖兵となってしまった恋人を救うため、自らの生命を掛けて戦いに挑む主人公の姿も印象的でしたがやっぱり「ブラック家業ラノベ」のインパクトが強い。
田口仙年堂「吉永さん家のガーゴイル(2巻まで)」
最終巻でのタイトル伏線回収がアツすぎる。
ふくびきの景品として吉永さんの家にやってきたしゃべる石像・ガーゴイル。最初は杓子定規に家族に近寄るものを攻撃していた彼が、少しずつ人間の機微を学び、様々な体験を経て心を得て成長していく。最後に吉永家の一員となった彼の少しだけ変化した『名乗り』にホロリとしてしまう。読み放題は2巻までなんですけどなんとかして最後まで読んでください全15巻+外伝3巻です。


ある日、爆弾がおちてきて

[著]古橋 秀之 [絵]緋賀 ゆかり

ある日、空から少女が落ちてきた。以前好きだった少女にそっくりな彼女は自分のことを「最新型の爆弾」だと主張し、爆発するためには胸のドキドキが必要だと僕をデートに誘う。どうやら胸に付いている時計が12時を指すと、爆発を起こしてしまうらしいのだが…
   個人的お気に入り度数
ちょっと不思議な女の子とのボーイーミーツガールストーリーを7編収録した短編集。「古橋秀之・秋山瑞人講演会」に参加するために急遽手をつけたのですが、これが予想以上に面白かった。ちょっとSFの入った世界設定がかなりツボ。お気に入りは「おおきくなあれ」と「トトカミじゃ」、「恋する死者の夜」あたり。

「おおきくなあれ」はクシャミなど、刺激を受けるたびに記憶が退行してしまうカゼにかかった幼馴染を家まで送り届けることになった主人公のお話。噛み合わない会話にニヤニヤしながら読んでいったら、最後そう落としますか!この後何が起こったのかとか考えると、もう最高です。

「トトカミじゃ」はラストの微妙に微笑ましいオチもさることながら、トトカミ様の設定が素敵すぎます。トトカミ様の好物=●●小説という素晴らしい罠。しかも、主人公が普通に「トトカミ様はこのへんの作者が好みだよ」とか言っちゃってる件。個人的には、出来れば主人公が"おそなえモノ"に手を出した際の反応が見たかったです。ええものすごく。

「恋する死者の夜」は死者が生き返り、日常を繰り返すようになった世界の話。死者が生き返り、生者は着実に減り、生活も死者に掛かりきりになり始めて…と、基本は一応ラブコメなんですが、全体的にものすごくブラック。だがそのブラックぶりが好き。

全体的に、結構ほのぼのとした作風なんだけど、何気にそれだけじゃない終わり方が良かったです。「恋する?」なんかはもう、完全にラストで冷や水ぶっかけられますね。設定を良く見直すとかなり欝な展開が多いのに、悲壮感が殆ど無いというか、そういうものを感じさせない作風という感じで、ちょっと独特な味でしたが凄く面白かったです。雰囲気的には新井素子の短編「週に一度のお食事を」あたりに近いかな。

全体的にものすごく好みな作風でした。積読が落ち着いたら、他の古橋作品にも手をつけてみたいなあ。


行けるかどうか判らないけど


多摩地区自主法政祭(11月2日?4日)にて『古橋秀之・秋山瑞人講演会』を開催いたします。
(法政大学SF研究会 in hatena)

法政の多摩キャンバスといえば、家からバスで一本じゃないですか。
あの辺りのバスもようやくSuicaに対応したことだし、
何も無ければ日曜日に出かけてみようかな。

しかし…

*古橋先生、秋山先生の著作持参にて一人一冊でお願いします。

一応「イリヤの空」を2巻まで持ってる秋山作品はとにかく
古橋先生の本を1冊も持っていないという壮大なトラップが!

えっちょっ、週末までに何か探して1冊読んどくか…